「博士号を取ったら、その後は研究者になるしかない?」
博士課程にいると、その先のキャリアが見えなくなることがあります。
でも、PhD取得後のキャリアは研究職だけではありません。
この記事では、博士号取得後に考えられるキャリアの選択肢と、自分に合った道を考えるポイントを紹介します。
博士号を取った後のキャリアは研究職だけ?
博士課程まで進むと、
「ここまで研究したのだから、研究者にならなければ」
と思ってしまうことがあります。
💭 博士のモヤモヤ
博士号まで取ったのに研究職以外へ行ったら、これまでの時間が無駄になりませんか?
博士課程では、長い時間をかけて一つの専門領域を深く研究します。
だからこそ、その専門分野から離れることが「これまでを捨てること」のように感じることがあります。
でも、博士課程で身につけるものは、専門知識だけではありません。
PhDが企業で活かせる強み
博士課程では、日常的に、
- 正解のない問いを設定する
- 仮説を立てる
- 膨大な情報を調べる
- データを分析する
- 結果から次の行動を考える
- 自分の考えを論理的に説明する
- 長期的なプロジェクトを進める
- 国内外の研究者と協働する
といったことを繰り返します。
これらは、研究室の外でも使える力です。
たとえば、
「論文をたくさん読んだ」
という経験も、
「大量の情報から重要な情報を見つけ、整理し、意思決定につなげる力」
と言い換えることができます。
🌿 Marinのひとこと
博士の強みは「何を研究したか」だけではありません。研究を通して、どんな問題を解けるようになったかまで考えてみてください。
博士号取得後に考えられる5つのキャリア
博士号取得後の選択肢は、アカデミアだけではありません。
1. アカデミアで研究を続ける
大学や研究機関で、研究をさらに深める道です。
研究そのものが好きで、自分のテーマを追究したい人にとっては、一つの大切な選択肢です。
2. 企業で研究開発に携わる
製薬、バイオ、化学、食品、ITなど、企業にもさまざまな研究職があります。
アカデミアとは研究の目的や評価軸が異なるため、
「研究は続けたい。でも、違う環境も経験してみたい」
という人にとって選択肢になります。
3. 研究以外の専門職へ進む
科学的なバックグラウンドを活かせる仕事は、研究開発だけではありません。
ライフサイエンス領域なら、
- 事業開発
- メディカル
- 薬事
- 知的財産
- 新規事業
- サイエンスコミュニケーション
など、さまざまな仕事があります。
💭 博士のモヤモヤ
研究をしない仕事でも、博士号や専門性を活かせるのでしょうか?
🌿 Marinのひとこと
「自分で研究する」ことだけが、専門性を活かす方法ではありません。科学を理解できること自体が強みになる仕事もあります。
4. 異業種・別職種へキャリアチェンジする
コンサルティング、教育、スタートアップなど、研究とは異なる環境へ進むこともできます。
ここで大切なのは、
「博士号を直接使う仕事か?」だけでキャリアを判断しないこと。
博士課程で身につけた分析力、論理的思考力、情報収集力、プロジェクト推進力などを、別の場所で活かすこともできます。
5. 海外でキャリアを築く
選択肢を日本だけに限定する必要もありません。
海外の大学や研究機関だけでなく、企業などへ視野を広げることもできます。
国や環境が変わることで、自分の専門性に対する評価や、考えられるキャリアの選択肢が変わることもあります。
「専門と違う仕事」を選んだら、博士号は無駄になる?
💭 博士のモヤモヤ
専門と違う仕事へ行ったら、「博士号を取った意味がなかった」と思われそうで不安です。
博士課程で○○を研究した。
だから、これからもずっと○○に関わる仕事をしなければならない。
私は、必ずしもそうではないと思っています。
キャリアは、これまでの選択を証明するために決めるものではありません。
これまで身につけたものを使って、これからどんな仕事や人生をつくりたいかを考えるものです。
🌿 Marinのひとこと
専門性は「一生同じテーマを続ける義務」ではありません。次のキャリアへ持っていける、自分の資産として考えてみましょう。
博士のキャリアに迷ったら考えたい3つの質問
「どの仕事を選べばいいかわからない」
そんなときは、求人を探す前に3つの質問を考えてみてください。
1. 研究の何が好き?
「研究が好き」を、もう少し細かくしてみます。
- 実験そのものが好き
- 新しいことを発見するのが好き
- 一つのテーマを深く考えるのが好き
- 専門知識を使うのが好き
- データを分析するのが好き
- 人に説明するのが好き
研究の中でも、自分が好きな部分とそうではない部分があるはずです。
好きな部分は、次のキャリアにも残せるかもしれません。
2. 今のキャリアで何を変えたい?
次に「嫌なこと」も分解します。
- 収入
- 任期
- 働き方
- 研究テーマ
- 評価制度
- キャリアの見通し
- 社会との距離
何を変えたいかによって、必要な選択肢は変わります。
3. 3年後、どんな毎日を送りたい?
最後は肩書きではなく、生活から考えてみます。
どこで暮らしたい?
どんな人と働きたい?
どれくらい働きたい?
どんな仕事なら面白いと思える?
仕事以外に何を大切にしたい?
🌿 Marinのひとこと
「何になれば正解?」で答えが出ないなら、**「何を残して、何を変えたい?」**と考えてみる。キャリアの選択肢が少し見えやすくなります。
博士号はキャリアを縛るものではない
私自身、PhDを取得した後、製薬会社での創薬研究やHarvard Medical Schoolでの海外研究など、研究を軸に異なる環境を経験してきました。
その中で感じているのは、
博士号は、自分を一つの職業に縛るものではない
ということです。
研究を続けてもいい。
企業へ行ってもいい。
研究とは違う仕事へ進んでもいい。
海外へ行ってもいい。
途中で方向を変えてもいい。
博士課程で積み上げてきた経験は、次のキャリアにも持っていけます。
🌿 Marinのひとこと
博士号を「この仕事を続けなければいけない理由」ではなく、これからの選択肢を広げるための武器として考えてみてください。
専門性を武器に、もっと自由にキャリアを選ぶ。
Marin Careerでは、博士・研究職を含む専門職の方が、自分の経験や強みを整理し、納得できるキャリアを考えるための情報を発信しています。
「このままでいい?」から、自分らしい次のキャリアへ。
博士号を取った後のキャリアは、研究職だけではありません。
でも、選択肢があるとわかっても、次に気になるのは「研究しかしてこなかった自分が、研究職以外で本当に通用するの?」ということだと思います。
研究経験を別の仕事でどう活かせるのか、異業種へ転職するときに何を強みにできるのかについては、こちらで詳しく書いています。


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