「研究が好き」なら、研究職を続けるべき?好きと仕事を分けて考えてもいい

Career & Life

研究は好き。

新しいことを知るのも好きだし、仮説を立てて、それを一つずつ確かめていく時間も嫌いじゃない。

それなのに、ときどき思う。

「私は、このままずっと研究職を続けたいんだろうか」

研究が嫌いになったわけではないからこそ、

「研究が好きなのに、研究職を離れるなんておかしいのかな」 「せっかくここまで研究してきたのに」 「研究が好きなら、研究者でいるべきなんじゃないか」

と、自分の気持ちが分からなくなることがあります。

でも私は、

「研究が好き」と「研究を仕事として続けたい」は、同じ問いではない

と思っています。

研究が好きなのに、研究職に迷うのはおかしい?

おかしくありません。

むしろ、研究が嫌いではないからこそ、迷いが長くなることがあります。

研究そのものが嫌いなら、「別の仕事を探そう」と考えやすい。

でも、

「研究は好き。でも、この働き方をずっと続けるのかな」

という状態だと、簡単には答えが出ません。

私自身、博士課程まで研究を続け、海外でも研究し、その後もライフサイエンスの世界で仕事をしてきました。

研究してきた時間を否定したいとは思っていません。

研究を通して身についた考え方や経験は、今の私にもつながっています。

だからこそ思うのは、

研究を好きでいることと、研究職だけを自分のキャリアにすることは、別に考えていい

ということです。

🌿 Marinのつぶやき

私も「研究が好きなら、研究を続けるのが自然なんじゃないか」と考えていた時期があります。

でも、研究を好きでいることと、それをどんな形で仕事にするかは、別に選んでいいと思うようになりました。

「研究が好き」を、もう少し分解してみる

「研究が好き」と言っても、実は好きなものは人によって違います。

例えば、

  • 誰も知らないことを明らかにするのが好き
  • 仮説を立てるのが好き
  • 実験そのものが好き
  • データを見て考えるのが好き
  • 論文を読んで議論するのが好き
  • 専門性を深めるのが好き
  • 社会に新しい価値を生み出すことが好き
  • 優秀な人たちと知的な議論をするのが好き

こうして分けてみると、

「研究職という職業そのものが好き」

とは限らないことがあります。

例えば、あなたが本当に好きなのが、

複雑な問題を考えて、仮説を立て、答えを探すこと

だったとします。

それなら、その力を使える場所は研究室だけではありません。

大切なのは、「研究職」という職業名を守ることではなく、

研究の何が好きだったのか

を知ることです。

研究そのものと、研究職という働き方は分けて考えていい

もう一つ、混ざりやすいものがあります。

それが、

研究そのもの

研究職としての働き方

です。

研究は好き。

でも、

  • 成果が出るまでの不確実性がつらい
  • 論文や業績で評価され続けることに疲れた
  • 任期やポジションの不安がある
  • 収入や勤務地も含めて将来を考えたい
  • 家族やパートナーとの生活も大切にしたい
  • もっと社会に近いところで仕事をしてみたい
  • 研究以外の能力も使ってみたい

そんな気持ちが出てくることもあります。

これは、

「研究が嫌いになった」

ということではありません。

好きなことと、自分に合う働き方が一致しないこともある。

それだけです。

研究を離れたら、これまでの経験は無駄になる?

研究職から別のキャリアを考え始めると、

「これまで積み上げてきたものが無駄になるのでは」

と怖くなることがあります。

でも、研究で身につけたものは、研究室を出た瞬間になくなるわけではありません。

仮説を立てる力。

情報を集める力。

データを読み解く力。

分からないことを調べる力。

複雑な問題を分解する力。

専門家と議論する力。

そして、答えがすぐに出なくても考え続ける力。

こうしたものは、職種が変わっても持っていけます。

研究テーマそのものを持っていくのではなく、

研究を通して身につけた「考え方」を持っていく。

そんなキャリアのつなぎ方もあります。

🌿 Marinのつぶやき

キャリアが変わってみて気づいたのは、研究する場所や仕事内容が変わっても、「研究を通して身につけた考え方」は自分の中に残るということでした。

専門性は、自分を一つの職業に閉じ込めるものではなく、次の選択肢をつくる武器にもなると思っています。

研究職以外で自分の経験がどう活かせるのか分からない場合は、まず「研究で身につけた力」を職種ではなくスキルとして整理してみるのも一つです。

「研究しかしてこなかった」私に何ができる?研究職から転職するときの強みの見つけ方

「せっかく博士まで取ったのに」と思ってしまうとき

博士まで進むには、長い時間がかかります。

だから、

「ここまでやったんだから、この道を続けなければ」

と思ってしまうこともあると思います。

研究職以外の道を考えただけで、

「逃げなのでは」 「もったいないのでは」 「今まで頑張った意味がなくなるのでは」

と感じる人もいます。

でも、過去に費やした時間と、これから過ごす時間は別です。

博士号は、

「これから一生、研究職を続けなければならない証明書」

ではありません。

私はむしろ、

これだけ深く一つのテーマを考え抜いた経験を、これからどこで使うかを選べる

ものだと思っています。

研究職を続けることも一つの選択。

違う場所へ行くことも一つの選択。

どちらを選んでも、博士まで積み上げた時間が消えるわけではありません。

「ここまで頑張ったのに」と思うほど動けなくなってしまう人は、こちらの記事でも詳しく書いています。

研究職を辞めたら負け?「ここまで頑張ったのに」と思ってしまう人へ

研究が好きでも、研究職を続けるべき?

ここまで読んでも、

「じゃあ、私は研究職を続けるべきなの?」

という答えが欲しくなるかもしれません。

でも、すぐに「続ける・辞める」の二択にしなくても大丈夫です。

まずは、次の4つを分けて考えてみてください。

1. 研究の何が好き?

「研究」という大きな言葉ではなく、具体的に書いてみます。

実験?

考察?

議論?

専門性?

新しい発見?

社会への応用?

「研究が好き」の中身が見えてくると、次のキャリアでも残したいものが分かりやすくなります。

2. 研究職の何が好き?

今度は研究内容ではなく、仕事としての研究職を考えます。

例えば、

  • 専門性を深められる
  • 自分で考える時間が多い
  • 裁量がある
  • 知的な人たちと働ける
  • 新しいことに触れられる

など。

「次の仕事でも絶対に残したい」と思うものは何でしょうか。

3. 研究職の何を手放したい?

逆に、

「これは10年後も続けたくない」

と思うものを書いてみます。

ここで大切なのは、

今の職場が嫌なのか、研究職という働き方が合わないのか

を分けることです。

研究室や会社を変えれば解決する問題なのか。

それとも、働き方そのものを変えたいのか。

ここを混ぜてしまうと、「研究職を辞めるしかない」と極端な結論になりやすくなります。

4. 「研究者」という肩書きがなくても、何をしたい?

ここは少し難しい問いです。

「次は何の職業に就く?」

ではありません。

一度、職業名を外してみます。

どんな問題を考えていたい?

誰と働きたい?

どんな環境なら自分らしく力を出せる?

仕事以外の時間を含めて、どんな毎日を送りたい?

そこから考えてみます。

🌿 Marinのつぶやき

「次に何の仕事をする?」から考えると、答えが出なくなることがあります。

そんなとき私は、「今のキャリアから何を残したい?何を手放したい?」と分けて考えるのがおすすめです。

職業名より先に、自分が大切にしたいものを見つけるイメージです。

研究を続けるかより、「何を残したいか」を考えてみる

キャリアに迷ったとき、

「研究を続けるか、辞めるか」

という二択にしてしまうと、苦しくなります。

でも本当は、その間にもたくさんの選択肢があります。

研究職を続ける。

研究に近い別の仕事へ行く。

専門性を別の形で使う。

まったく違う領域へ挑戦する。

一度離れて、また戻る。

キャリアは、一度選んだら二度と戻れない一本道ではありません。

だから、

「研究が好きだから、研究職を続けるべき?」

ではなく、

「研究で好きだったものを、これからの人生にどう残したい?」

と考えてみてもいい。

研究が好きだった自分を否定しなくても、違うキャリアを選ぶことはできます。

もちろん、考えた結果、

「やっぱり私は研究を続けたい」

と思うかもしれません。

それも、とても大切な答えです。

「博士まで来たから」ではなく、

「私はこれを残したいから、この道を選ぶ」

と決められたら、同じ研究職を続けるとしても、その選択の意味は少し変わると思います。

🌿 Marin Career Lab 公式LINE

「このままでいい?」から、自分らしいキャリアを考えるヒントや、新しい記事をLINEでもお届けしています。

公式LINEを友だち追加する

もし、

「研究は好き。でも、このまま研究職を続けたいのか分からない」

「辞めたいわけではないのに、なぜかモヤモヤする」

そんな気持ちが一人では整理できないときは、キャリア相談で一緒に言葉にしていくこともできます。

転職すると決めていなくても大丈夫です。

「何に迷っているのか、自分でもよく分からない」

というところから、一緒に整理します。

Marinにキャリアのモヤモヤを相談する

コメント

タイトルとURLをコピーしました