学振DC1・DC2の申請書を書きながら、
「研究内容には自信がある。でも、この申請書で本当に伝わるんだろうか」
と思ったことはありませんか?
私自身、学振DC1では不採用でした。
研究も頑張っている。 自分なりに考えて申請書も書いた。
それなのに、採用されなかった。
もちろん、悔しかったです。
当時は、
「研究テーマが弱かったのかな」 「自分の実績が足りなかったのかな」
と考えました。
でも、その後DC2へ申請するとき、私は研究そのものだけではなく、
「審査者には、この申請書がどう見えているんだろう?」
という視点から、申請書を徹底的に見直しました。
そしてDC2では、面接免除で採用されました。
この経験から強く感じたのは、
良い研究をしていることと、良い学振申請書を書けることは、同じではない
ということです。
どれだけ面白い研究でも、その面白さが申請書から伝わらなければ、審査者には届きません。
逆に、
「私の研究にはインパクトがないのかも」
と落ち込む前に、まだ見直せることがあります。
この記事では、私自身がDC1不採用からDC2面接免除採用までに見直した経験をもとに、学振DC1・DC2の申請書をどう組み立てればいいのか、7つのポイントに分けて整理します。
学振申請書で難しいのは「研究を知らない人にも伝えること」
研究室では、自分の研究についてかなり細かく説明できます。
なぜこの分子を見るのか。
先行研究では何が分かっているのか。
なぜこの実験系を使うのか。
なぜこの条件なのか。
毎日その研究について考えているのだから、当然です。
でも、学振申請書では事情が違います。
申請書を読む人が、あなたとまったく同じ研究テーマを扱っているとは限りません。
だから、
「専門家として正しい文章」だけでは足りない。
必要なのは、
「自分の研究を初めて読む人にも、なぜこの研究が重要なのかが伝わる文章」
です。
私はDC2へ申請するとき、ここをかなり意識しました。
研究内容そのものを派手に見せるのではなく、
「この研究の価値を、どうすれば読み手に理解してもらえるか」
という視点で申請書を見るようになったのです。
🌿 Marinのつぶやき
研究者は、自分の研究を知りすぎています。
だからこそ、「これくらい説明しなくても分かる」「この重要性は当然伝わる」と思ってしまう。
でも申請書では、その自分にとっての“当然”が、読み手には伝わっていないことがあります。
1. 最初に「何が問題なのか」が分かるようにする
学振申請書を書いていると、研究背景を詳しく説明したくなります。
先行研究Aでは○○が報告された。
一方、研究Bでは△△だった。
さらに研究Cでは……。
研究者としては、どれも書きたい情報です。
でも、その情報を理解する前に、読み手には知りたいことがあります。
「結局、この分野では何がまだ分かっていないの?」
ということです。
たとえば、
現在○○が問題となっている。
しかし、その原因となる△△はまだ明らかになっていない。
そこで本研究では□□を明らかにする。
この骨格が見えるだけでも、研究のストーリーは追いやすくなります。
細かな説明は、そのあとに置けます。
学振申請書では、
背景 → 未解決の問題 → なぜ重要なのか → 自分は何を明らかにするのか
という流れを、読み手が迷子にならないようにつくることが大切です。
2. 「新規性があります」ではなく、何が新しいのかを書く
申請書では、
「本研究は新規性が高い」
「独創的な研究である」
と書きたくなることがあります。
でも、読み手が知りたいのは、その宣言ではありません。
「これまでの研究と、具体的に何が違うの?」
です。
既存研究では、どこまで分かっているのか。
何がまだ分かっていないのか。
従来の方法では、何ができなかったのか。
あなたの研究によって、初めて何が分かるのか。
この「差分」が見えたとき、初めて新規性が伝わります。
ここで一度、自分に聞いてみてください。
あなたの研究の「何が新しいのか」を、その分野を専門にしていない研究者にも伝わる1〜2文で説明できますか?
ここで詰まったとしても、
「私の研究には新規性がない」
と決める必要はありません。
もしかすると、
新規性そのものではなく、新規性がまだ“文章として見える形”になっていない
だけかもしれません。
3. 「面白い研究」だけでなく、「なぜ今やるのか」を伝える
自分にとって、その研究が面白い理由はよく分かっています。
でも、申請書を読む人が知りたいのは、
「なぜ、この研究を今やる必要があるのか?」
ということでもあります。
この研究が進むと、分野の何が変わるのか。
どんな未解決問題を前へ進められるのか。
その先に、どんな研究展開が考えられるのか。
研究の「面白さ」だけではなく、
その研究を実施する意味
まで見えるようにします。
これは、無理に壮大な社会実装のストーリーを書くという意味ではありません。
基礎研究なら基礎研究として、
「この問いを解くことで、学術的に何が一歩前へ進むのか」
を示せばいい。
研究者本人の頭の中ではつながっていても、申請書の上では、その「なぜ」が抜け落ちていることがあります。
🌿 Marinのつぶやき
「すごそうな研究に見せなきゃ」と思うほど、文章が大きくなりすぎることがあります。
大切なのは、大きな言葉を使うことではなく、
“この研究をやる意味”が読み手の頭の中につながること。
私はここをかなり大切にしています。
4. 研究計画は「面白そう」だけでなく「できそう」と思わせる
壮大な研究計画を書けば、優れた申請書になるわけではありません。
むしろ、
「本当に期間内に全部できるの?」
と思われてしまえば、実現可能性に疑問を持たれます。
だから研究計画では、
何を明らかにするのか
だけではなく、
どうやって明らかにするのか
まで読み手に見えることが重要です。
研究目的①では何をするのか。
そこで得られた結果を、どう②につなげるのか。
予想と異なる結果が出たらどうするのか。
すでに使える実験系はあるのか。
予備データがあるなら、それは研究計画をどのように支えているのか。
読み手が申請書を追っていったとき、
「なるほど。この人なら、この研究を進められそうだ」
と思える設計になっているか。
研究の魅力と同時に、ここも確認したいポイントです。
5. 「すごい研究者」に見せるより、あなたがやる理由を伝える
学振では、研究計画だけではなく申請者自身についても記載します。
だからこそ、
「論文が少ない」
「学会発表が少ない」
「周りにはもっと実績のある人がいる」
と不安になることもあると思います。
特に、同じ研究室や同期に成果が出ている人がいると、
「私では無理かもしれない」
と思ってしまう。
でも、申請書でできることは、自分を必要以上に大きく見せることではありません。
大切なのは、
これまで何を考え、何を経験し、それがこれからの研究にどうつながっているのか
を伝えることです。
なぜ、この研究テーマに取り組んでいるのか。
これまでの研究で、何を身につけてきたのか。
今後、どんな研究者になりたいのか。
あなたがこの研究をすることに、一本の線が通っているか。
私はここも、申請書を見るときに大切だと考えています。
🌿 Marinのつぶやき
「実績が足りない」と思い始めると、申請書全体が自信のない文章になってしまうことがあります。
でも申請書は、他人とのスペック比較表ではありません。
自分が何を考え、何を積み上げ、これから何をしたいのか。
あなた自身の研究者としてのストーリーを伝える書類でもあります。
6. 一文を短くして「一度読めば分かる文章」にする
研究者の文章は、どうしても長くなりがちです。
一文の中に、
背景。
条件。
例外。
専門用語。
結果。
解釈。
全部を入れてしまう。
内容としては正しくても、一度読んだだけでは意味が頭に入ってこない文章になります。
学振申請書では、
「正しい文章」であることと同じくらい、「読み手が理解しやすい文章」であること
を意識します。
一文に一つのメッセージ。
主語と述語を離しすぎない。
同じ意味の説明を何度も繰り返さない。
専門用語を使うなら、必要に応じて理解できる情報を添える。
そして何より、
「この段落を読んだ人に、何を一番覚えてほしいのか」
を考える。
申請書を何十回も読んでいる本人は、その文章の意味をすでに知っています。
だから多少読みにくくても、自分の頭の中で意味を補完できてしまいます。
ここに、第三者に読んでもらう意味があります。
7. 最後は「この研究を知らない人」の目で読む
申請書を書き終えたら、
「誤字脱字がないか」
だけを確認して終わりにしない。
最後にもう一度、
「この研究を初めて知る人が読んで、本当に理解できるだろうか?」
という目で読みます。
最初の部分を読んだだけで、何が問題なのか分かるか。
なぜその研究が必要なのか分かるか。
何が新しいのか分かるか。
研究目的と研究計画がつながっているか。
最後まで研究のストーリーを追えるか。
そして読み終わったとき、
「この研究を、この人にやってほしい」
と思える申請書になっているか。
一つひとつの文章が正しくても、全体のストーリーが分断されていることがあります。
逆に、
背景から研究目的、研究計画、そして申請者自身まで一本につながったとき、申請書の読みやすさは大きく変わります。
自分の学振申請書ほど、自分では客観的に読めない
ここまで読んで、
「言っていることは分かる。でも、自分の申請書でできているのか分からない」
と思った人もいるかもしれません。
実は、そこが学振申請書の難しいところです。
自分の研究については、背景も、目的も、実験方法も全部知っている。
だから文章を読んだ瞬間に、書いていない情報まで自分の頭の中で補ってしまいます。
「ここは伝わるだろう」
「この重要性は分かるはず」
と思っていたところが、初めて読む人には伝わっていないことがある。
私自身、DC1では不採用でした。
その後DC2へ申請するときには、研究内容だけではなく、
「審査者には、この申請書がどう見えるのか」
という視点から徹底的に見直しました。
その結果、DC2では面接免除で採用されました。
だから学振申請書では、
研究を深く理解している自分の視点と、初めて申請書を読む第三者の視点。
この両方を持つことが大切だと考えています。
🌿 学振DC1・DC2申請書の添削・ブラッシュアップ
「研究内容には自信がある。でも、申請書として伝わっているか分からない」
そんな方に向けて、研究背景・新規性・研究目的・研究計画・実現可能性・論理構成・専門外の審査者への伝わりやすさまで、第三者の視点から申請書を確認します。
ご希望の方は、Coconalaのプロフィールから**「学振申請書の添削希望」**とメッセージしてください。
まだ申請書が完成していなくても、
「この研究計画の組み立て方でいいのかな」
「そもそも何を強みにして書けばいいのか分からない」
という段階なら、まずはMarin Career Labの公式LINEからでも大丈夫です。
🌿 Marin Career Lab 公式LINE
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