30代になってから、ときどき思う。
「私だけ、人生が進んでいない気がする」
仕事は頑張ってきた。
大学院へ進んで、研究して、専門性を身につけて。
ようやく少しずつ、自分の仕事に自信も持てるようになってきた。
でも、久しぶりに友達に会えば、
結婚した。
子どもが生まれた。
家を買った。
そんな話が増えている。
SNSを開けば、結婚式の写真や赤ちゃんの写真が流れてくる。
「おめでとう」と思う。
本当に嬉しい。
なのに、そのあと一人になると、なぜか少し苦しくなる。
💭 こんな気持ちになることはありませんか?
私は仕事を頑張ってきた。
でも、気づいたら30代になっていた。
結婚もしたい。子どものことも考える。
それでも、ここまで積み上げたキャリアだって諦めたくない。
私、何か間違えたのかな。
この記事では、「仕事か結婚か」「キャリアか出産か」という二択の答えを出したいわけではありません。
その前に、
自分は本当はどんな人生を望んでいるのか。
一緒に少しずつ整理してみたいと思います。
- 30代になると、仕事と人生を別々に考えられなくなる
- 友達の結婚や出産を喜びたい。でも、苦しくなる
- 「私は仕事を選んだ」つもりなんてなかった
- そもそも、私は結婚できるんだろうか
- 結婚したら、自分のキャリアはどうなる?
- 出産を考えると、急に「時間」が怖くなる
- 産休・育休制度はある。でも、本当に戻ってこられる?
- 育休で止まることと、キャリアが終わることは同じではない
- でも、「全部できるよ」と簡単には言いたくない
- 「全部大切」から始めてもいい
- 一度「会社名」や「肩書き」を外して、人生を考えてみる
- 「私だけ何者にもなれていない」と思ったとき
- 自分の人生を「周りの進み具合」から決めない
- キャリアと結婚・出産を考えるときの5つの問い
- 「仕事も人生も大切にしたい」は、わがままではない
- 一人で考えると、全部が絡まってしまうなら
30代になると、仕事と人生を別々に考えられなくなる
20代の頃は、目の前に比較的わかりやすい目標がありました。
大学院を修了する。
博士号を取る。
論文を書く。
就職する。
研究者として経験を積む。
仕事を覚える。
ひとつ終われば、また次の目標があった。
だから、そのときそのときで一生懸命だった人も多いと思います。
でも30代になる頃から、少しずつ問いが変わってきます。
「次の研究テーマは?」
ではなく、
「この先、どんな人生にしたい?」
という問いです。
仕事だけではありません。
結婚。
妊娠・出産。
パートナー。
住む場所。
働く時間。
家族との時間。
収入。
海外。
これまで別々に考えていたものが、突然ひとつの時間軸に並び始めます。
そして、
「全部を同時に考えなければいけない気がする」
ようになります。
友達の結婚や出産を喜びたい。でも、苦しくなる
これは、なかなか人には言いにくい気持ちかもしれません。
友達が結婚した。
本当に嬉しい。
出産した。
赤ちゃんもかわいい。
幸せになってほしいと思っている。
でも、家に帰って一人になったとき、
「私は何をしているんだろう」
と思ってしまう。
🌿 Marinのつぶやき
友達の幸せを心から祝う気持ちと、自分の人生を思って苦しくなる気持ちは、同時にあっていいと思います。
誰かの幸せを羨ましいと思ったからといって、その人の幸せを喜んでいないわけではありません。
SNSでは、人生の「決まった瞬間」がよく見えます。
結婚しました。
妊娠しました。
子どもが生まれました。
昇進しました。
転職しました。
でも、その間にその人が何を悩んでいたかは見えません。
それでも毎日のように誰かの「次のステージ」を見ていると、
自分だけ同じ場所に立ち止まっているような感覚になることがあります。
でも、人生は全員が同じ順番で進むものではありません。
「私は仕事を選んだ」つもりなんてなかった
30代になって結婚や出産について考えると、
「仕事ばかりしてきたからかな」
と思ってしまうことがあります。
でも、本当にそうでしょうか。
私は仕事を選んだ。
だから恋愛や結婚を捨てた。
そんな明確な選択をした人ばかりではないと思います。
ただ、そのときそのときで一生懸命だった。
博士課程を乗り切る。
研究成果を出す。
論文を書く。
就職する。
仕事を覚える。
次のポジションを考える。
気づけば時間が経っていた。
それだけのことかもしれません。
💭 もしかすると、こんな気持ちかもしれません
キャリアを選んだつもりはなかった。
ただ、目の前のことを一つずつ頑張っていた。
なのに気づいたら、周りの景色が変わっていた。
だから、
「仕事を頑張った自分が悪かった」
という結論にはしなくていいと思います。
そもそも、私は結婚できるんだろうか
この記事を読んでいる人の中には、すでにパートナーがいる人もいると思います。
一方で、
「結婚したい。でも、今パートナーはいない」
という人もいるはずです。
ここも無視したくありません。
結婚とキャリアについての記事を読むと、
「パートナーと話し合いましょう」
と書かれていることがあります。
もちろん、パートナーがいる場合には大切です。
でも、その前の段階で悩んでいる人もいます。
30代になった。
結婚したい気持ちはある。
子どものことも少し考える。
でも、相手はいない。
研究や仕事では努力すればある程度前へ進めることがあった。
でも恋愛や結婚は、自分一人で計画通りには進められない。
そこに、仕事とは違う焦りが生まれます。
「今から間に合うのかな」
「私は結婚できないのかな」
「もっと早く考えるべきだった?」
そんなことまで考えてしまう。
でも、ここでも、
まだ結婚していないことと、自分の人生が遅れていることは同じではありません。
そして「結婚したい」という気持ちがあるなら、それをキャリアとは別の小さな箱に閉じ込めなくてもいい。
自分の人生の希望のひとつとして、ちゃんと考えていいと思います。
結婚したら、自分のキャリアはどうなる?
パートナーがいる場合には、また別の悩みがあります。
結婚したい。
でも、勤務地が違う。
相手にも仕事がある。
自分の研究分野は働ける場所が限られている。
海外へ行く可能性もある。
すると、
「どちらが合わせる?」
という問題が出てきます。
ここで、無意識に、
「私が合わせた方がいいのかな」
と思っていないでしょうか。
もちろん、二人の事情によってどちらかが一時的に譲ることもあります。
でも、
女性だから。
収入が少ない方だから。
研究職だから場所を変えにくいから。
と最初から答えを決めるのではなく、
二人のキャリアを一度並べて考えてみてもいいと思います。
何を手放したくないのか。
何なら変えられるのか。
数年単位ならどうか。
一時的な遠距離は可能か。
どこで暮らしたいのか。
海外も含めて考えるのか。
結婚とは、どちらか一人の人生にもう一人が乗ることではなく、二人でこれからの生活を作ることでもあります。
出産を考えると、急に「時間」が怖くなる
子どもを望んでいる場合、結婚の先に妊娠や出産について考えることがあります。
すると、キャリアの判断が急に難しくなることがあります。
今転職していいのかな。
新しい職場に入ってすぐ妊娠したら?
海外へ行くならいつ?
このプロジェクトが終わってから?
昇進してから?
仕事が落ち着いてから?
でも、
「仕事が落ち着く」って、いつなんだろう。
研究にも仕事にも、次の課題があります。
一つ終われば、また次が始まります。
だから、
キャリアが完全に落ち着いてから人生を始める
という考え方だけでは、いつまでもタイミングが来ないことがあります。
妊娠・出産については医学的な事情や本人の希望もそれぞれ違います。
ここで「何歳までにこうすべき」と一つの答えを出すことはできません。
でも、
「私は子どもを望んでいるのか」
「今はまだわからないのか」
という自分の気持ちは、キャリアを考える材料のひとつにしていいと思います。
産休・育休制度はある。でも、本当に戻ってこられる?
制度として産休・育休が整っている職場も増えています。
それはとても大切です。
でも、制度があることと、
自分が安心して休めると思えること
は、必ずしも同じではありません。
💭 こんな不安もあるかもしれません
育休を取っている間に、同期は先へ進むのでは?
復帰したとき、重要な仕事から外れていない?
研究テーマは残っている?
子どもの体調で休むことが増えたら、評価はどうなる?
出産前と同じようには働けなくなったら?
これは、制度一覧を見るだけでは解消しにくい不安です。
特に研究職では、
実験。
研究テーマ。
プロジェクトのタイミング。
共同研究。
成果。
評価。
など、時間の影響を受けることがあります。
だから転職や今後の職場を考えるとき、
「育休制度がありますか?」
だけではなく、
「実際に取っている人はいる?」
「復帰後はどんな働き方をしている?」
「管理職や研究リーダーにも子育て中の人はいる?」
「柔軟な働き方が制度だけでなく実際に使われている?」
といった、職場の現実を見ることも大切です。
育休で止まることと、キャリアが終わることは同じではない
出産や育児を考えたとき、
「ここまで積み上げたキャリアが止まる」
という怖さがあります。
もちろん、仕事から一定期間離れることで変わることはあります。
でも、
働く速度が変わることと、これまで身につけてきたものが消えることは違います。
専門知識。
研究経験。
問題を考える力。
人とのつながり。
英語。
プロジェクト経験。
これまで積み上げてきたものは、自分の中に残ります。
キャリアは、ずっと一定の速度で右肩上がりに進み続けなければ成立しないものではありません。
🌿 Marinのつぶやき
少し速度を落とす時期があってもいい。
違う働き方をする時期があってもいい。
キャリアは「一度止まったら終わり」ではないと思います。
でも、「全部できるよ」と簡単には言いたくない
ここは、きれいごとにはしたくありません。
仕事も頑張りたい。
結婚もしたい。
子どももほしい。
海外にも行きたい。
全部望んでいいと思います。
でも、
「全部、今までと同じ強度で同時にできる」
とは限りません。
時間は有限です。
体力にも限界があります。
パートナーとの調整もある。
家族の事情もある。
職場環境にも左右される。
自分ではコントロールできないこともあります。
だから必要なのは、
「全部完璧に実現する方法」
ではなく、
その時々で、自分は何を大切にしたいのかを知っていること
なのだと思います。
「全部大切」から始めてもいい
キャリア相談では、
「優先順位を決めましょう」
と言われることがあります。
もちろん最後には必要になるかもしれません。
でも最初から、
仕事か結婚か。
キャリアか出産か。
と削らなくてもいいと思います。
まず、全部書いてみる。
研究を続けたい。
もっと収入を上げたい。
海外に行きたい。
結婚したい。
子どももほしい。
自分の時間もほしい。
家族との時間も大切にしたい。
🌿 Marinのつぶやき
「全部欲しい」は、最初の答えとしてあっていいと思います。
そこから、何を今やるのか。何は数年後でもいいのか。何は相手と相談するのか。一つずつ分ければいい。
いきなり人生から何かを削る必要はありません。
一度「会社名」や「肩書き」を外して、人生を考えてみる
ここで、少し仕事から離れて考えてみてください。
5年後、どこで暮らしていたい?
日本。
海外。
都市部。
自然の多い場所。
パートナーと一緒。
一人でも自由に。
答えは何でも構いません。
誰と、どんな毎日を過ごしたい?
結婚していたい。
子どもがいたら嬉しい。
二人で自由に暮らしたい。
まだわからない。
それも全部答えです。
仕事は、人生のどれくらいを占めていたい?
仕事を中心に生きたい。
好きな研究を続けたい。
仕事は大切だけれど、家庭の時間も欲しい。
週末はちゃんと休みたい。
これも人によって違います。
キャリアから何だけは失いたくない?
専門性。
研究そのもの。
収入。
社会との接点。
海外。
自由度。
成長。
肩書き。
何を残したいかが見えると、職種が変わってもキャリアをつなげられることがあります。
「私だけ何者にもなれていない」と思ったとき
30代になると、周囲の人生が一気に動いているように見えることがあります。
友達は結婚した。
子どもがいる。
同期は昇進した。
後輩は研究成果を出している。
誰かは海外にいる。
SNSを開くと、みんな何かを手に入れている。
その横で、自分を見る。
研究もまだ途中。
キャリアも迷っている。
結婚もわからない。
子どものこともわからない。
すると、
「私だけ何者にもなれていない」
という気持ちになることがあります。
でも、
30歳で何を持っているか。
35歳で何を達成しているか。
それだけで人生が決まるわけではありません。
他人の人生の結果と、自分の人生の途中を比べなくてもいいと思います。
自分の人生を「周りの進み具合」から決めない
周りが結婚したから、自分も急ぐ。
同期が転職したから、自分も転職する。
友達が出産したから、自分も今すぐ決める。
その気持ちが出ることはあります。
でも、一度だけ周りの時間軸から離れてみてください。
私は何を望んでいる?
結婚したい?
子どもを望んでいる?
研究を続けたい?
違う仕事もしてみたい?
海外へ行きたい?
今の環境は好き?
どれが「自分の気持ち」で、どれが「周りを見て焦っている気持ち」なのか。
完全に分けられなくても、一度考えてみるだけでも違います。
🌿 Marin Career Lab 公式LINE
「このままでいい?」から、自分らしいキャリアを考えるヒントや、新しい記事をLINEでもお届けしています。
キャリアと結婚・出産を考えるときの5つの問い
全部が絡まってしまったら、この5つだけ書いてみてください。
1. 私は、本当はどんな人生を望んでいる?
会社名や肩書きではなく、生活から考えます。
2. キャリアで、絶対に残したいものは何?
研究、専門性、収入、海外、成長、自由。
自分の中で大切なものを探します。
3. 結婚・出産について、自分自身はどう思っている?
「女性だから」ではなく、自分の希望として考えてみます。
4. 今、一番焦っているのは何?
年齢?
仕事?
結婚?
出産?
周囲との比較?
焦りの正体が見えると、全部を同時に解決しなくてもいいことに気づくことがあります。
5. 本当に二択しかない?
研究か家庭か。
転職か残留か。
海外か結婚か。
フルタイムか退職か。
その間に選択肢がないか、一度探してみます。
研究職以外も含めてキャリアの選択肢を広く見てみたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
博士号を取った後のキャリアは?研究職だけじゃないPhDの選択肢
「仕事も人生も大切にしたい」は、わがままではない
研究も大切。
仕事も大切。
結婚もしたい。
子どもも望んでいる。
自分の時間も欲しい。
それを全部言葉にすると、
「欲張りかな」
と思うかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
人は仕事だけで生きているわけではありません。
だからキャリアも、仕事だけを切り取って考える必要はないと思っています。
誰と暮らしたいのか。
どこで生きたいのか。
どんな働き方をしたいのか。
何を大切にしたいのか。
それも含めて、自分のキャリアです。
一人で考えると、全部が絡まってしまうなら
仕事だけなら考えられる。
結婚だけなら考えられる。
でも、
仕事。
年齢。
結婚。
出産。
育休。
パートナー。
勤務地。
お金。
これまで積み上げてきた専門性。
全部を一度に考えると、
「結局、私はどうしたらいいの?」
となることがあります。
💭 こんな状態でも大丈夫です
転職したいのかもわからない。
結婚したい。でも仕事も諦めたくない。
子どもは欲しい。でもキャリアが止まるのが怖い。
友達を見ると焦る。でも、自分が本当は何を望んでいるのかわからない。
答えが決まっていなくても大丈夫です。
Marin Careerでは、「仕事か家庭か」のどちらかを選ばせるのではなく、これまで積み上げてきたもの、今感じている不安、これから望んでいる生活を一緒に整理しながら、自分なりの選択肢を考えています。
「転職した方がいいですか?」という答えをもらうためではなく、
「私は、どんな人生を送りたいんだろう」
を一度誰かと整理してみたい。
そんな段階からでも相談してもらえます。
もしこの記事を読みながら、
「これ、私かもしれない」
と思ったところがあったなら、そのままの気持ちを持ってきてください。


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