研究者はアスリートであり、芸術家である:長い癌研究から見えたこと

漫画

研究者は、実験において極限の集中力と体力が必要な面で、アスリートだと思います。

そう言う意味で、研究者は身体が資本だと思っています。

よく、カップ麺や菓子パンをデスクで食べながら仕事されている方を見かけます。とても忙しいのは理解出来ますが、それが今後の身体を作って行くと考えると、もう少し食べるものに気を遣うといいかな〜と思います。

食べるものが私の身体を作り、私の身体が仕事道具でそれが仕事の結果に直結すると考えています。

だから、私はどんな時も、私は食べるものや心身のコンディションに徹底的に気を遣っています。

自分が健康であれば、仕事が上手くいく。調子がよければ周りの人にも気を遣う余裕ができる。自分のまわりにいる人が、もっともっと幸せになる。そう考えて、研究をしています。

研究は私の命であり、魂である

私が研究を芸術だと思うのは、論文やプレゼンが研究者から生み出された魂の産物だと感じているからです。

基礎研究の成果も論文も、実験によるデータの解釈も、人間が科学的に作り出した技術によって、細胞や生物に隠れている神秘を解釈して生まれた結果です。

つまりは、研究者の理解の元に頭に生まれた解釈の結果を、言語に落とし込んでPublishしているに過ぎないのです。

本当に素晴らしい論文やプレゼンは、美しいです。

プレゼンの内容には、強弱や抑揚があります。論文には、ストーリー性があります。美しいプレゼンはまるでオーケストラのよう。美しい論文はまるで映画か小説のよう。呼んだり聞いたりすると、心がワクワクするのです。

美しい論文は、読んでいて本当に楽しい。そして、楽しいと思いながら行う仕事は成功する。

以前の記事で、私は右脳派の芸術家タイプであることを書きました。

私は、自分の出す論文やプレゼンには命をかけています。魂を込めています。一切の妥協を許しません。

だから、私は作品には魂が込められていると感じています。

実際、私がこれまで読んできた本当にすごい申請書は、魂が宿っています。読んでいると、心臓がバクバクするような、ドキドキするような感動を覚えます。

私はそんな人々に感動を起こせる研究者になりたい。

この感覚は、ずっと長い間、研究に携わっていたから気づいたことです。一つのことをやり続けるって、飽きてしまうのではと思われがちですが、じつは、掘れば掘るほど面白いのだし、本質が見えれば、そこからまた新しい繋がりが見えるものなのですね。こうした気付きが出来たことを、本当に有難いと感じています。

余談ですが、実業家には2パターンいるみたいで、前者は色々はビジネスを派生させるタイプで、後者は一つのビジネスを極めて発展させるタイプ。

どちらが優れている、と言うわけではないのですが、きっと私は、後者の一点集中型だと思いました。

そして、私は、VCを今すぐやるよりも、きっとビジネスを始める方が向いている。私は、自分で事業を興して、問題解決に導きながら、その経験をもとにコンサルティングに転身する方が向いている。

ただ、左脳派はこの限りではないと思います。彼らは問題を見つけたり、論理的に解決策を立案する能力に優れているので、その場合は、会社の脳みそとして活躍した方がよいとも考えています。クライアントの頭に散らばったバラバラのパズルピースを、整理してくれるのです。彼らは頭の中を読み取り、組み替えながら、他者にもわかりやすく整理する能力に優れたInterpreterです。

癌は敵ではない

かれこれ10年近く癌の分子生物学に携わっていますが、私は、癌は敵ではないと思います。

こう言うと、患者さんの中には違和感を感じると思います。

私は、癌と私たちの身体(宿主の免疫細胞)を良く、某パンのヒーローとバイキンの悪者に例えています。

ヒーローは、常に私たちの身体をパトロールしています。

そして、バイキンが悪さをすると、ヒーローが飛んできてやっつけます。

バイキンは、確かに悪さをしますが、果たして、いかなる時も悪者にする必要はあるでしょうか?

バイキンも、休むときもあります。巣に帰って大人しくする事もあります。

癌は悪性新生物と呼ばれています。

私の身体に生まれてしまったものを、全部悪者として排除するよりも、彼らと共存しながら社会復帰を目指して生きる方が、天寿を全う出来るのではないかと考えています。

癌を撲滅しろ、癌との戦争だ、などと、敵として接する限り、彼らは抵抗し続けるはず。

であれば、彼らが悪さをしないように、いかに私たちの身体にあるヒーローを上手く監視役として機能させるかを考えれば、ずっと長く健やかな生活が送れるのではないか、と考えています。

研究者と患者を繋ぐコミュニティ

患者さんと研究者が繋がったら、もっと医学は発展すると思う。

患者は最新の知見を知れるし、研究者は医療の現場がわかる。

お互いが相互理解しあい、さらなる医療の発展に向けたコミュニティを作ります。

そうした人を知っているし、様々なことを前向きに考えてくれている人が、私の周りにはたくさんいます。

だから、実現できると思います。

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